お久しぶりの更新ですね。今回はちょっと思うところがあって、史実の人物の紹介ではなく、漫画のお話をしていきたいと思います。
漫画といっても、歴史を題材にした作品です。
普段あまり漫画を読まないのですが、これだけは単行本の発売を楽しみにしていました。
「イノサン Rouge(ルージュ)」ヤングジャンプコミックス 坂本眞一氏の漫画です。
今回はこの漫画か完結したので、ちょっと感想をまとめていきたいと思います。
フランス革命を、処刑執行人サンソン家側から見る
この漫画は「イノサン」「イノサン・ルージュ」というタイトルで発売されたものです。

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「イノサン」の主人公はシャルル-アンリ・サンソン。彼は代々フランスの死刑執行を行ってきたサンソン家の長男で、四代目”ムシュー・ド・パリ”と呼ばれた人物です。
シャルルは史実の人物でもあって、このブログでもまとめています。
続編の「イノサン・ルージュ」は、その妹 マリー-ジョセフ・サンソンが主人公になっています。

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このブログに「サンソン」というキーワードで訪れる方もいて、皆さんマリーが実在するのか気になっているご様子でしたね。
一応、シャルル=ジャン・バチスト・サンソンの子供の名前の中には次女としてマリージョセフがいます。漫画の人物相関図を見てもマリーに「次女」とあるので、「マリージョセフ」という実在の人物を元に作られたキャラクターと言えるでしょう。
この作品は、歴史上の人物・団体についての取材を基に。一部脚色して構成したものです。
とあります。
脚色したといっても、イノサン作品にある「生々しさ」「リアルさ」「サンソン兄妹の葛藤」の描写は素晴らしいものでした。
作品を読むと、よく取材されていたことが見て取れますし、当時のフランスの文化や習慣、人々の生活や感情の起伏なんかが描かれていて、グロテスクなところは多々ありましたが読み応え十分でした。
実際に起こったことのアレンジも面白かったですね。史実を知ってるから楽しめることも多くて、歴史を知らない人が読んだら何とも思わないし気付きようがない部分も、「ああ、あの出来事がこうなるのね」と感心させられます。
完結してしまって、楽しみが減る分残念ですが、作者にはお疲れ様でした!と言いたいです。
あまり話すと漫画のネタバレになるので控えますが、かなり残酷(拷もん・処けい・暴こう・性こうを思わすシーン)や血肉が飛び交うシーンもあって、かなり過激です。

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ですが、絵自体はとてもリアルで美麗。時折ミュージカルな展開や現代風な比喩表現があったり、よく出来てるなーと毎度刺激されていました。
人を選ぶ漫画かもしれませんが、フランス革命や「ベルサイユのバラ」が好きな人は案外ハマるかもしれません。マリーの助手がアンドレという名前だったり、マリーアントワネットも、ちょっとベルバラのマリーを思わせるような感じがあったかなと、個人的には思います。
あと、この漫画は安達正勝氏の『死刑執行人サンソン』が出典元になっています。
私もこの本Kindleで購入して読みましたが、よりサンソン家について知ることができるので、ぜひぜひ、気になった方は読んでみてください。安達氏は特にフランス革命の本を書かれていて、ちょこちょこサンソン家にも触れられています。下記の本もそうです。
イラスト多めの図解本なので、フランス革命初心者の方にもおすすめです!
歴史を題材にした漫画やゲームなど
タイトル通りですが、結構いろいろありますよね。スマホゲームなんかは神話も史実もひっくるめたキャラクターとか出てきますし。
個人的に、FGOというスマホゲームはストーリーも「お!史実を忠実になぞってるな」なんて思う部分もあったりします。
人物のキャラだけなゲームもありますが、ストーリーがしっかりしている作品なんかは、ゲームであっても夢中になりますね。もちろん、フィクションとノンフィクションの区切りはつけますが。
今度はそんな関連する漫画やゲームも特集してみたいですね。

